赤い糸はやっぱり彼だった(35歳・女性・出版社勤務)

 

夫と知り合ったのは、大学1年生のクラスでのこと。クラスのコンパなどで一緒に遊ぶうちに、仲良くなり、自然とお付き合いが始まりました。
それまでお互い異性とは付き合った経験がありませんでしたが、彼とは何となく気が合い、恋人同士なんていうのも初めての経験だっただけに、「付き合う」ことにお互いが夢中になっていたところがありました。ごくありふれた大学生のカップルなので、一緒に食事に行ったり、あちこちのスポットに出かけたり。楽しく過ごしていたのです。

 

ところが、同い年のカップル、それもお互い恋愛経験は初めてとなると、仲が深まるにつれていろいろとケンカも多くなってきました。
一番私が気になったのは、彼が何となく子どもっぽく頼りがいがないように思えるところ。やさしくて柔軟性があるといえばいいのですが、私が迷ったときにアドバイスをくれるわけでもない。遊びに行くのもどこに行くかは私が決めるし、何だかもっとイニシアチブをとってほしい、そんな思いがどんどん強くなっていました。

 

彼のほうも気が強い私に閉口してきたみたいで、もっと女の子らしいおとなしいタイプのほうがいいんじゃないかと思ったようです。
結局2年ほどで彼とは別れることになりました。

 

その後、お互い別の人とそれぞれ付き合いました。私は今度こそ頼りがいのある人がいいと思い、バイト先の上司とお付き合いを始めたり、彼はサークルの後輩と付き合ったようです。私のほうは、今度は大人の彼に振り回されるようになり、これもまたなんとなくしっくりこず、それにその彼には二股をかけられていたことが判明し、ほどなくして別れることになりました。
その後、彼と私の共通の友人から、彼が今付き合っている後輩の彼女とうまくいっていないこと、やっぱりあいつ(私)のほうがよかったと愚痴っているという話が聞こえてきました。何を今更、と思ってましたが、私もにくからず思っていたところです。その共通の友人も交えたコンパで、あらためて彼と意気投合し、もう一度付き合うことになりました。
今度は、前回の失敗があるので、お互い賢くなり、お互いが何を求めているのかを理解できるようになったと思います。それも一度別れたおかげでしょうか。
そのまま彼との交際は続き、大学を卒業して2年たった頃、無事結婚することになりました。
今でもやっぱりちょっと頼りないところもある彼だけど、でもやっぱり私には彼が一番合っている、赤い糸がつながっていたと思っています。"